Osaka Gardening Journal

園芸業界の中の人が書きます

ZOOM商談会のはなし

園芸業界では毎年この時期、重要な展示商談会があります。八ヶ岳山麓で開催されるフラワートライアルジャパンです。近辺の大規模生産農家の施設などを借りて、商品の実物などを展示して全国のバイヤーを迎えます。植物のバイヤーにとっては最も重要な展示会です。秋口に開催されるこの商談会では翌春の商材が扱われたりもしています。人気の商品は受注生産のものも多く、生産力も限られているわけですから、早々に完売御礼となってしまいます。

 

今年はこの商談会がコロナの影響で初のオンライン開催となります。同様の事例は他の展示商談会でもすでにあり、ZOOMを利用して生産者の設備を案内してみたり、新しい取り組みが方々で始まっているようです。

 

園芸業界の関係者は高齢化が進んでいて、特に小さな会社のバイヤーは社長さんなど50代以上の偉い人がやっている場合が多く、PCとかスマホとか苦手な人が多いです。定年なんかなくて、60代、70代の人も珍しくありません。さすがにZOOMへの適応は難しいらしいです。これまでのところ、あまりうまくいってる感じはしません。

 

園芸の生産地は全国に散らばっています。大阪で売る花だからといって関西の産地で作っているということはあまりありません。植物が好む気候に合わせて、適した地域で生産が行われています。

 

たとえばシクラメンは北海道、長野などの冷涼な地域が多いです。

当然、観葉植物は沖縄や鹿児島あたりが多いです。

 

バイヤーが産地を調査し、生産者を見極めようと思った場合、これまでは全国の産地に足を運んでいました。小さな園芸店でも、こだわっている店はそういうことをやってきているんです。立派なことですが、さすがに効率が悪い。オンラインでそれができる状況になってきているはずなのに、まだまだ実現してはいません。

 

コロナをきっかけに新しい扉が開かれるのかどうか、今月末に開催されるフラワートライアルジャパンのZOOM商談会は試金石となります。

 

変わって欲しいぜー。